2018年3月28日水曜日

2018ドイツオープン: 伊藤美誠と対戦後の孫穎莎のコメント

少し時間が経ってしまいましたが、1日目の女子シングルス終了時点の記事で、伊藤美誠にゲームオールの末に勝った中国の孫穎莎の長いコメントが載っているITTFニュースの記事があったので簡単に訳してみます。



主要選手が敗退、孫穎莎と徐孝元がシード上位を食う

2018年3月23日

ブレーメンで開催中のSeamaster ITTFワールドツアープラチナのドイツオープンで3月23日夕刻に行われた女子シングルス2回戦で、シンガポールの馮天薇(フォン・ティアンウェイ)、日本の石川佳純、台湾の鄭怡静(チェン・イーチン)は勝ち進んだが、主要選手で勝ち進めなかった選手もいた。

第3シードの伊藤美誠と第4シードの平野美宇が敗退した。



平野美宇を破った徐孝元(写真: Remy Gros)


伊藤美誠は、3日間の予選を勝ち抜く必要があった中国の孫穎莎(スン・インシャ)に敗れた(7-11, 11-9, 14-12, 11-6, 6-11, 10-12, 11-6)。平野美宇は第14シードの徐孝元(ソ・ヒョウォン)の手によって退けられた(11-8, 11-8, 11-6, 7-11, 4-11, 11-7)。

「第一に言えるのは、伊藤はタフな選手の一人だということです。この試合の前、負けるか最終ゲームまでもつれ込むかもしれないと思いました。試合には万全の準備をして臨みました。私は伊藤のプレーを知らなかったし、速くてどんどん変化するので負けるかと思いました。第1ゲームで、対抗策を試しました。試合で3-1とリードしたのは少しラッキーだっただけです。日本選手は、中国選手と対戦するときは本当に必死になります。3対3になり、最終ゲームで5-5になったあとプレーが固くなり、絶対に負けられないと自分に言い聞かせました。一番大変だったのは、最終ゲームで3-3になったとき、サービスの準備に時間がかかり過ぎるということで審判が伊藤に1ポイントを与えたときです。これには慎重になりました。最も重要なことは、試合に勝つことであり、負けないことだと自分に言い聞かせました」孫穎莎

徐孝元が勝利したこの日の午後は韓国にとっていい時間だった。さらに、予選から勝ち上がった田志希(チョン・ジヒ、韓国)が同様に予選からのオーストリアのソフィア・ポルカノバと対戦し、最後の最後までもつれた試合で最終7ゲーム目で最小の2ポイント差で勝利をものにした(10-12, 12-14, 11-8, 11-5, 11-8, 9-11. 11-9)。また、梁夏銀(ヤン・ハウン)はもっと簡単に格上のドイツのハン・イン(第15シード)を倒してしまった(11-3, 12-10, 11-9, 14-12)。

徐孝元がカットマンとして準々決勝に駒を進めた一方で、もう一方のカットマンである中国の武楊(ウー・ヤン)も同じ中国国家チームの范思琦(ファン・スチィ)を破って準々決勝に駒を進めた(11-4, 11-7, 11-7, 11-2)。

驚いたことに、ベスト8に名乗りを上げた中で、第1シードの馮天薇は危なかった。第2シードの石川佳純、第5シードの鄭怡静は危なげなく勝った

馮天薇は中国の黄穎琦(ウォン・インチィ)を倒すのに7ゲームを要した(8-11, 11-3, 4-11, 9-11, 11-5, 11-9, 11-6)。一方、石川佳純はもっと簡単に黄穎琦と同じ中国の陳幸同(チェン・ジントン、第9シード)を倒した(11-9, 11-8, 20-18, 11-6)。その時に、鄭怡静も同じやり方で、陳幸同と同じ中国の文佳(ウェン・ジャ)を下していた(11-8, 14-12, 11-7, 11-8)。

準々決勝では、馮天薇は田志希、梁夏銀は徐孝元と対戦する。後半では孫穎莎と鄭怡静、石川佳純と武楊が対戦する。

準々決勝は、3月25日土曜日に行われる。

(ITTF報道局マネージャ、イアン・マーシャル記)

元のITTFニュースの記事はこちらをご覧ください。

また、2018ドイツオープンについてはこちらをご覧ください。



2018年3月26日月曜日

ドイツオープンが終わっての世界ランキングを予測してみた(女子)

 日曜(3/25)に2018ドイツオープンが終わりました。石川佳純、みまひな、芝田沙季の優勝があり、みなさんエンジョイされたかと思います。

 そして、今週はスペインオープン(チャレンジシリーズ)、来週はスロベニアオープン(チャレンジシリーズ)と4/6からアジアカップが始まります。今月の大会でポイントが高いのはカタールオープンとドイツオープンで世界ランキング上位の選手はこれらの大会を中心に参加しています。

 4月の世界ランキングにはカタールオープンとドイツオープン(スペインオープンはたぶん4月の試合結果になる)の結果が影響するわけです。前回、カタールオープン終了後のランキングポイントと順位をシミュレーションしましたが、今回はその続きで今回のドイツオープンが終了した時点の上位選手のポイントとランキングをシミュレーションしてみたいと思います。実質、これが4月の世界ランキングになると思います。


まず、前回シミュレーションしたカタールオープン終了後の世界ランキングとランキングポイントは以下のようになります。便宜上、3月の世界ランキング20位までを記載します。


カタール後ランキング 3月ランキング 選手名 現ポイント 加算大会数 最低ポイント
1 2 陳夢 16395 8 1620
2 1 朱雨玲 16185 8 1440
3 3 石川佳純 14100 8 1575
4 7 王曼昱 13974 8 1575
5 4 馮天薇 13970 8 1260
6 6 平野美宇 13808 8 1440
7 5 伊藤美誠 13005 8 1350
8 9 陳幸同 12462 8 1125
9 8 鄭怡静 12150 8 1080
10 20 劉詩雯 12029 7 0
11 14 丁寧 11994 7 0
12 10 陳思羽 11175 8 1125
13 13 李皓晴 11110 8 990
14 16 佐藤瞳 11109 8 1080
15 11 杜凱栞 11049 8 1080
16 12 早田ひな 11025 8 1260
17 17 加藤美優 10575 8 1080
18 15 徐孝元 10339 8 630
19 18 リ・ジエ 9935 8 57
20 19 森さくら 9789 8 1080
ここで、「加算大会数」とは現在のランキングポイントの計算に使用されている大会数です。ランキングポイントには最大8大会のポイントしか加算できません。また、最低ポイントは現在のランキングポイントに加算されているポイントの内で最も低い大会のポイントです。つまり、最低ポイントより高いポイントを獲得した場合は加算するポイントが最低ポイントと交換になり、その差が増加します。加算大会数が「8」に達していない場合は獲得ポイントがそのまま加算されます。また、「現ポイント」はカタールオープン終了時のシミュレーションしたランキングポイントです。
ランキングポイントの計算方法の詳細はこちらで説明しています。)

次に、ここにドイツオープンの試合結果、獲得ポイント、変更後の新ポイントをまとめてみます。

現ランキング 3月ランキング 選手名 現ポイント 加算大会数 最低ポイント 最終結果 獲得ポイント 新ポイント
1 2 陳夢 16395 8 1620 16395
2 1 朱雨玲 16185 8 1440 16185
3 3 石川佳純 14100 8 1575 優勝 2250 14775
4 7 王曼昱 13974 8 1575 13974
5 4 馮天薇 13970 8 1260 準決勝 1800 14514
6 6 平野美宇 13808 8 1440 2回戦 1350 13808
7 5 伊藤美誠 13005 8 1350 2回戦 1350 13005
8 9 陳幸同 12462 8 1125 2回戦 1350 12687
9 8 鄭怡静 12150 8 1080 準決勝 1800 12870
10 20 劉詩雯 12029 7 0 12029
11 14 丁寧 11994 7 0 11994
12 10 陳思羽 11175 8 1125 1回戦* 563 11175
13 13 李皓晴 11110 8 990 1回戦* 563 11110
14 16 佐藤瞳 11109 8 1080 1回戦 1239 11268
15 11 杜凱栞 11049 8 1080 1回戦* 563 11049
16 12 早田ひな 11025 8 1260 1回戦* 563 11025
17 17 加藤美優 10575 8 1080 1回戦: 563 10575
18 15 徐孝元 10339 8 630 準優勝 2025 11734
19 18 リ・ジエ 9935 8 57 1回戦* 563 10441
20 19 森さくら 9789 8 1080 1回戦* 563 9789
(「1回戦*」はシード選手の1回戦敗退を示します。この場合獲得ポイントは通常の1回戦敗退の1125ポイントの半分になります。「現ランキング」はシミュレーションしたカタールオープン終了後のランキングです。)

ドイツオープン後の新ランキングポイントで並び替えると以下のようになります。

新ランキング 3月ランキング 選手名 新ポイント 最終結果 獲得ポイント
1 2 陳夢 16395
2 1 朱雨玲 16185
3 3 石川佳純 14775 優勝 2250
4 4 馮天薇 14510 準決勝 1800
5 7 王曼昱 13974
6 6 平野美宇 13808 2回戦 1350
7 5 伊藤美誠 13005 2回戦 1350
8 8 鄭怡静 12870 準決勝 1800
9 9 陳幸同 12687 2回戦 1350
10 20 劉詩雯 12029
11 14 丁寧 11994
12 15 徐孝元 11734 準優勝 2025
13 16 佐藤瞳 11268 1回戦 1239
14 10 陳思羽 11175 1回戦* 563
15 13 李皓晴 11110 1回戦* 563
16 11 杜凱栞 11049 1回戦* 563
17 12 早田ひな 11025 1回戦* 563
18 17 加藤美優 10575 1回戦: 563
19 18 リ・ジエ 10441 1回戦* 563
20 19 森さくら 9789 1回戦* 563
また、15位辺りまで4月の世界ランキングでも上のようになりますが、20位近くは20位より下から上がってくる選手がいる可能性があるため変わるかもしれません。

例えば、中国の孫穎莎は3月の世界ランキングでは34位で7785ポイントです。孫穎莎は、カタールオープンとドイツオープンでどちらも予選グループで2勝して本戦に進出して準々決勝で敗退しているので、それぞれ1689ポイントを獲得していますので、これを加算しますが、孫穎莎の現ランキングポイントは4大会の合計のポイントなので、今月の2大会のポイントをそのまま加算できます。そのため、4月頭のポイントは11163ポイントとなり15位辺りに上がってくる計算になります。

忍耐が功を奏した、石川佳純はより確実に勝利を手に(ITTFの石川佳純のドイツオープン優勝の記事)

昨日終了した卓球の2018ドイツオープンで石川佳純が優勝しました。
ITTFニュースで、その石川佳純優勝の記事が出ていたので、また訳してみます。

忍耐が功を奏した、石川佳純はより確実に勝利を手に


2018年3月25日
カットマンに対して絶対の自信を持つ石川佳純が、ここブレーメンで3月25日日曜日の午後に行われた2018Seamaster ITTFワールドツアープラチナ ドイツオープンで女子シングルスで優勝した。

今回第2シードの石川佳純は、第14シードの徐孝元(韓国)のバックスピンの技をねじふせた。この試合は二人がこれまでITTFワールドツアーの決勝で戦った試合とは全く異なるものとなった。
集中する石川佳純 (写真: Remy Gros)

思い起こすと、2013韓国オープンで石川佳純と徐孝元(ソ・ヒョウウン)は優勝を争い、徐孝元が7ゲームの末、最小の2ポイント差で劇的な勝利を納めた。次の二人の対戦は2014 Asian Gamesで、この時も勝利は徐孝元の手に渡った。しかし、その後の対戦では石川佳純が6連勝している。

このドイツオープンで、石川佳純は連勝を7に増やした。試合を5ゲーム(11-9、10-12、 11-6、11-7、11-6)で決め徐孝元を圧倒した。

第1ゲームは徐孝元が10-8からゲームポイントを1度逃れた後に石川佳純が取った。これで、石川佳純が優勢になったように見えた。第2ゲームも第1ゲーム同様に石川佳純が10-8としたが、その後4連続でポイントを失った。

これまで以上に徐孝元は守備から攻撃に変化し、これが石川佳純を悩ませた。徐孝元が前陣からバックスピンモードで下がると、石川佳純は対処し易かった。

第2ゲームの逆転劇に奮起し、石川佳純は第3ゲームを支配し、3つめのゲームポイントで第3ゲームを取った。自信を持ちリラックスし、なにより第2ゲームの最後よりも粘り強くなっていた。第4ゲームは序盤で大きくリードしていたが、4連続でポイントを取られ9-7と2点差まで縮められた。石川佳純はここで冷静にタイムアウトを取った。このタイムアウトが功を奏し、石川佳純は直後の2ポイントを取った。

これで石川佳純がゲームを支配し、第5ゲームも8-5とした。徐孝元はここでタイムアウトを取ったが、最後のあがきだった。石川佳純は10-5で5回のマッチポイントを得て、2回目で勝利をものにした。

石川佳純は昨年の2017世界選手権の混合ダブルスで吉村真晴とペアを組み優勝したここドイツで、より大きな成果を出した。

さらに、石川佳純は2009年の平野早矢香、2015年の伊藤美誠に続いて3人目のITTFワールドツア ドイツオープンでの日本人の優勝者となった。

「ここドイツで行われた昨年の世界選手権の混合ダブルスでも優勝しているので、
ドイツは自分にとってラッキーな場所でもあります。ファンの皆さんも
暖かく応援してくださって、ありがとうございます」石川佳純

5年前の韓国での対戦を含め、石川佳純にとって13回目のITTFワールドツアー女子シングルスの決勝だった。8度目の優勝だったが、ドイツでの決勝は初めてだった。

また、徐孝元にとっても5回目の決勝であり、2回目の敗戦でデジャブだった。その1回は2014年のドイツのマクデブルクでのドイツのシャン・シャオナとの決勝での敗戦である。


 「決勝で負けて残念ですが、石川佳純のプレイが非常に良かったので
納得しています」徐孝元

ブレーメン(今回の開催地)でもまた同じだった。あと一歩だった。

(イアン・マーシャル、ITTF報道編集者記)

ITTFの元のニュース記事はこちらをご覧ください。

2018ドイツオープンの概要はこちらをご覧ください。



2018年3月23日金曜日

2018ドイツオープン: 1日目の見どころ。シード選手が始動、本戦始まる

ITTFの2018ドイツオープンのホームページに今日の本戦1日目のプレビュー記事がでたので訳してみました。

1日目を予測。シード選手が始動、本戦始まる

ドイツのブレーメンで行われるSeamaster ITTF 2018ワールドツアープラチナのドイツオープンはいよいよ初日を迎え、3月23日に行われる男子と女子それぞれのシングルス、およびダブルスの準々決勝では多くの見どころがある。

ここで簡単に1日目の見どころを見て行こう。
平野美宇は初戦で同じ日本の橋本帆乃香と対戦する (写真: Hussein Sayed)
2人の日本の優秀な卓球スター選手が、女子シングルスの1回戦で対戦する。平野美宇と橋本帆乃香の対戦である。この試合は2人のワールドツアーでの初めての対戦で、世界ランキング上で位置は17ランク離れている。確率的には平野美宇が有利だが、橋本帆乃香の熟練した守備力が第4シードの平野を苦しめることができるだろうか。

1回戦でのもうひとつの大きな対戦は、第9シードの陳幸同と木子の中国選手同士の対戦だ。木子は、2015年のスウェーデンオープンで数人のトップ選手を倒して優勝した実績を誇っている。木子は、丁寧や朱雨玲などを倒して勝ち進み優勝した。陳幸同も木子もドイツオープンを早い段階で離脱したくないはずだが、どちらかは敗退する!!

第1シードの馮天薇は、予選ラウンドでの好結果に自信を深めている大藤沙月と対戦する。また、サビーネ・ウィンターは地元の利をフルに活かして田志希と対戦するだろう。

ディミトリ・オフチャロフには2018年4月に発表される世界ランキングで1位になる道が残されているが、それはけして容易ではない。

オフチャロフが再度世界ランキングの1位になるには、このドイツオープンで準決勝以上に行かなければならない。さもなければ、樊振東が1位になる。オフチャロフの対戦相手になったのはパトリック・フランツィスカだ。オフチャロフの仲間のドイツ人がオフチャロフの1位への望みを早々に絶ってしまうのだろうか。

また、2018ドイツオープン1日目の見どころは、ワールドツアーへの参加が昨年6月の中国オープン以来の中国のスーパースター馬龍の復帰である。馬龍は、チームワールドカップでは調子が良さそうで、中国を金メダルに導いた。日本の吉村真晴と1回戦の最後で対戦するがドイツオープンでの力強い発進をするつもりだろう。

許昕はポーランドのヤクブ・ディヤスとの対戦が楽しみだろう。ディヤスは、予選ラウンド最終日で中国の方博をストレートで破ったためにヘッドラインを騒がせた。一方、カタールオープンの英雄、ウーゴ・カルデラノはドイツオープンをマティス・カールソンとの対戦から開始する。

試合は、午前10時(現地時間、日本時間18:00)に、男子と女子のダブルスの準々決勝から開始される。

試合のライブ配信は itTV でごらんください




元のITTFニュースはこちらをご覧ください。


2018ドイツオープンのU21女子シングルスで芝田沙季が中国選手を倒して優勝(ITTFニュース)

卓球のワールドツアープラチナの2018ドイツオープンで23日から始まる本戦に先立って行われたU21女子シングルスで芝田沙季(ミキハウス)が優勝しました。

この芝田沙季選手の優勝に関するITTFニュースがありましたので取り上げてみます。

芝田沙季が優勝、新たなタイトルを追加



カタールオープンでは第2シードだったが準々決勝で中国の張端の前に敗れてしまった。Seamaster 2018 ITTFワールドツアープラチナ ドイツオープンの優勝者決定戦でも日本の芝田沙季は同じ立場に立っていたが、そのような問題はもうなかった。

3月22日、芝田沙季はU21女子シングルスで優勝を果たした。

再び優勝をおさめた芝田沙季 (写真: Remy Gros)
決勝戦で、芝田沙季は16歳の中国の黄穎琦(HUANG Yingqi)と対戦し4ゲーム(11-6、9-11、11-9、11-5)で破りタイトルを引き寄せた。注目するのは、黄穎琦は第24シードだが非常に優れた取れた選手で、1つ前の準決勝では第1シードの香港の蘇慧音の望みを絶ったという点だろう(9-11, 12-10, 11-8, 14-12)。

一方の準決勝で、芝田沙季は同じ日本選手であり、黄穎琦と同じ2002年生まれの長崎美柚(第11シード)と対戦した。

「対戦相手が積極的に攻めてきたときも含め、試合を通して
非常に落ち着いていることが出来ました」芝田沙季

注目すべき点として、芝田沙季がITTFワールドツアーのU21女子シングルス決勝に登場するのはこれが6回目と言うことだ。ITTFチャレンジシリーズ大会も含めると、合計は9回になる。反対に、黄穎琦はこれが初の決勝戦だ。

芝田沙季は、ワールドツアーでは2016年のブルガリアオープン、翌年のオーストラリアオープンを制している。また、2016年のベラルーシオープンとチェコオープン、2017年の韓国オープンでは準優勝をしている。昨年のITTFチャレンジシリーズ大会では、芝田沙季はベラルーシオープンとタイオープンで優勝し、スロベニアオープンで準優勝している。

「この試合ではうまく戦えたと思います。自分は今まで何度も決勝戦を
経験しています。対戦相手は初めての決勝戦なのでナーバスになっている
と思いましたし、自信を持って試合ができました」芝田沙季

日本がITTFワールドツアーU21シングルスで優勝したのは、これで74度目だ。2017チャレンジシリーズを含めると77度になる。


(訳者メモ)
芝田沙季は今月行われたカタールオープンでは予選突破して本戦に進みました。今回のドイツオープンでも昨日の本戦を突破して本戦に進みました。より、大きな大会での活躍が期待できそうです。
今年は、芝田沙季選手の飛躍の年になりそうですね。
また、大会での優勝と準優勝の記述が不明確なので、日本卓球協会のサイトで調べた結果、以下のとおりでした。
2016チャレンジシリーズ ベラルーシオープン 女子シングルス優勝
2016ワールドツアー ブルガリアオープン U21優勝(シングルス優勝は石垣優香)
2016ワールドツアー チェコオープン U21準優勝
2017ワールドツアー 韓国オープン U21準優勝
2017ワールドツアー オーストラリアオープン U21優勝
2017チャレンジシリーズ ベラルーシオープン U21優勝(シングルス優勝は佐藤瞳)
2017チャレンジシリーズ タイオープン U21優勝(シングルス優勝は佐藤瞳)

(芝田沙季選手の略歴)
1997年8月25日生まれ(20歳)
千葉県出身
四天王寺高校卒業
2018年3月時点の世界ランキング24位

2018年3月21日水曜日

2018ドイツオープン予選の大藤沙月の大金星についてのITTFニュース

別の記事で紹介した2018ドイツオープン予選で中学1年の大藤沙月選手がヨーロッパチャンピオンのベルナデッテ・スッチを倒した件について、ITTFのニュースでも大藤沙月選手の写真入りで他の波乱とともに報じられたので紹介したいと思います。

注目選手が次々に敗れる、大藤沙月は大物選手を食う


2018年3月21日
試合ごとに勝者が決まる。日本の佐藤瞳、オーストリアのソフィア・ポルカノバ、ルーマニアのエリザベス・サマラの上位3選手は、ドイツのブレーメンで開催中のSeamaster 2018ワールドツアープラチナ ドイツオープンの予選トーナメントで順調に勝利を納めた。次のステージに向けていいスタートを切った。

しかし、予選の舞台で上位選手が順調な中で多くの事件も起きている。
ベルナデッテ・スッチを倒した大藤沙月(Remy Gros撮影)
敗退した選手で最も著名なのは、今年初めにITTFヨーロッパトップ16トーナメントで優勝したルーマニアのベルナデッテ・スッチといって間違いないだろう。スッチは13歳の日本の大藤沙月に6ゲームで敗れた(12-10、8-11、11-13、12-10、11-7、11-9)。

同様に、ハンガリーのゲオルギナ・ポータの敗戦にも驚かされる。ポータはオーストリアのアメリア・ソルヤに敗れた(4-11、11-8、11-9、11-9、9-11、11-9)。

そのような中、それぞれのグループでこの日トップに位置付けられていたポルトガルのユ・フとカナダのチャン・モーにも似たようなことが起こっていた。ユ・フはスウェーデンのリ・フェンに敗れ(11-8、11-9、13-11、7-11、11-2)、カナダのチャン・モーはフランスのマリー・ミゴットの手に見事かかった(8-11、11-8、12-14、11-8、5-11、11-6、11-4)。

また、日本の前田美優と香港の姜華君も同じような形で敗れている。前田美優は中国の李佳燚との対戦で敗れ(11-7、11-4、8-11、11-5、11-13、8-11、11-8)、姜華君はモナコのヤン・シャオシンに敗れた(11-3、11-8、4-11、11-7、11-8)。

しかし、前田美優と姜華君の敗戦は明らかに意外なものではなかっただろう。そして、姜華君の仲間の蘇慧音にもまったく同じことが起こった。蘇慧音は予選ラウンドで4番目に高いランキングだが、2015ワールドツアースウェーデンオープンの優勝者である中国の木子に敗れた。

この記事の原文はこちらをご覧ください。

2018ドイツオープン 予選 中学1年の大藤沙月が大金星、ヨーロッパチャンピオンのスッチを撃破

ワールドツアープラチナの2018ドイツオープンが3月23日~25日で開催されます。日本からは男女合わせて30選手が参戦しています。

23日からの本戦に先立ち昨日3月20日から予選が行われています。

その予選で中学1年生で世界ランキング273位の大藤沙月(おおどうさつき、ミキハウスJSC所属)が、世界ランキング27位のルーマニアのベルナデッテ・スッチ(Szocs)を逆転で破り大金星を上げました。

ベルナデッテ・スッチは最新の世界ランキングは27位ですが、昨年12月のT2グランドファイナルでシングルスで優勝し、先月行われたヨーロッパトップ16でも女子シングルスでチャンピオンになり今乗りに乗っている選手です。

大藤沙月は、2004年5月16日生まれの中学1年生です。昨年の世界ジュニア選手権のメンバーに選出されていますが、同い年の木原美悠ほど国際大会には出場していません。
大藤沙月

スコアは次のとおりです。
大藤沙月 vs スッチ  4-2 (12-10, 8-11, 11-13, 12-10, 11-7, 11-9)

ライブ配信がなかったので試合の映像は視ていませんが全体に接戦のようです。また、ゲームカウント1-2から3ゲーム連取の逆転は視ていれば興奮したでしょう。配信がなくて残念です。

スッチ(セイチと呼ばれることもあります)は、1995年3月5日生まれなので23歳になったばかりで、すでに書いたように最近頭角を現している元気いっぱいの美人プレーヤーですが、どうも日本の中学生には弱いようです。昨年のT2では木原美悠にも負けています。
ベルナデッテ・スッチ
大藤沙月選手は、同じグループのもう一人の選手にも勝っているため、昨日2勝して予選の次のステージ(予選トーナメント)への進出を決めています。

シード以外の他の選手は予選トーナメントへの進出をかけて本日も予選リーグを戦います。2018ドイツオープンの予選に出場する日本選手の詳細はこちらをご覧ください。



2018年3月18日日曜日

2018ポーランドオープン 橋本帆乃香、準優勝。シニア2度目の優勝ならず

 2018ITTFチャレンジシリーズが3/17に最終日を迎え、男女シングルスの準決勝と決勝、男女ダブルスの決勝が行われた。

 日本選手で唯一最終日まで勝ち残った橋本帆乃香は準決勝を韓国の田志希(チョン・ジヒ、世界ランキング48位)と対戦し、2ゲームを取られてたあと4ゲームを連取し4-2で決勝に進んだ。
 決勝では韓国の梁夏銀(ヤン・ハウン、同30位)との対戦となった。最初のゲームこそ橋本が取ったがその後は梁夏銀にうまく攻められ、接戦ながらもゲームを奪えず4ゲームを連取され逆転負けを喫してしまい、昨年5月のクロアチアオープン(チャレンジシリーズ)以来の2度目の優勝を逃した。
梁夏銀と対戦する橋本帆乃香
女子シングルス決勝:
橋本帆乃香 vs 梁夏銀(ヤン・ハウン) 1-4 (11-8, 7-11, 12-14, 8-11, 8-11)

橋本帆乃香のこの大会での獲得ポイントは810ポイントとなる、橋本は3月頭の世界ランキングは8775ポイントの23位だが、4月のランキングでは昨年3月の獲得ポイントが失効する。橋本は、昨年3月はチャレンジシリーズのタイオープンとベラルーシオープンで準優勝していて、どちらも810ポイントを獲得しており、これが現在のランキングポイントに加算されている。これらのポイントが4月の世界ランキングでは加算されなくなるが、かわりに今回の810ポイントと先週のカタールオープンの本戦1回戦敗退による1239ポイントが加算されるので、現時点で429ポイント増えることになる。橋本は、来週のドイツオープンにも出場予定でカタールオープン同様に予選からの開始なので本戦に進めば1239ポイント以上の積み増しとなり、さらに429ポイント増やすことができる。


2018年3月14日水曜日

カタールオープンが終わっての世界ランキングを予想してみる(女子)

 日曜(3/11)に2018カタールオープンが終わりました。テレビ東京の配信もあり、みなさんエンジョイされたかと思います。

 そして、今週はポーランドオープン(チャレンジシリーズ)、来週はドイツオープン(ワールドツアープラチナ)、再来週はスペインオープン(チャレンジシリーズ)とシニアの大会が続きます。今月の大会でポイントが高いのはカタールオープンとドイツオープンで世界ランキング上位の選手はこれらの大会を中心に参加しているわけです。

 4月の世界ランキングにはこれらの大会(スペインオープンはたぶん4月の試合結果になる)の結果が影響するわけですが、とりあえず今大会が終了した時点の上位選手のポイントとランキングをシミュレーションしてみたいと思います。

まず、3月初めの世界ランキングとランキングポイントは以下のようになります。便宜上、今回優勝した劉詩雯までを記載します。

ランキング 選手名 ランキングポイント 加算大会数 最低ポイント
1 朱雨玲 中国 16185 8 1440
2 陳夢 中国 16170 8 1575
3 石川佳純 日本 13830 8 1530
4 馮天薇 シンガポール 13220 8 600
5 伊藤美誠 日本 13005 8 1350
6 平野美宇 日本 12796 8 563
7 王曼昱 中国 11949 7 600
8 鄭怡静 台湾 11880 8 1080
9 陳幸同 中国 11412 8 300
10 陳思羽 台湾 11175 8 1125
11 杜凱栞 香港 11049 8 1080
12 早田ひな 日本 10935 8 1260
13 李皓晴 香港 10549 8 789
14 丁寧 中国 10530 6 900
15 徐孝元 韓国 10339 8 630
16 佐藤瞳 日本 10320 8 900
17 加藤美優 日本 10014 8 789
18 リ・ジエ オランダ 9935 8 57
19 森さくら 日本 9789 8 1080
20 劉詩雯 中国 9665 6 300
ここで、「加算大会数」とは現在のランキングポイントの計算に使用されている大会数です。ランキングポイントには最大8大会のポイントしか加算できません。また、最低ポイントは現在のランキングポイントに加算されているポイントの内で最も低い大会のポイントです。つまり、最低ポイントより高いポイントを獲得した場合は加算するポイントが最低ポイントと交換になり、その差が増加します。加算大会数が「8」に達していない場合は獲得ポイントがそのまま加算されます。
ランキングポイントの計算方法の詳細はこちらで説明しています。)

さて、ここにカタールオープンの試合結果、獲得ポイント、変更後の新ポイント、およびその新ポイントに基づく最新ランキング順位をまとめてみます。

ランキング 選手名 現Rポイント 加算数 最低ポイント 最終結果 獲得ポイント 新ポイント
1 朱雨玲 16185 8 1440 1回戦* 563 16185
2 陳夢 16170 8 1575 準決勝 1800 16395
3 石川佳純 13830 8 1530 準決勝 1800 14100
4 馮天薇 13220 8 600 2回戦 1350 13970
5 伊藤美誠 13005 8 1350 1回戦* 563 13005
6 平野美宇 12796 8 563 準々決勝 1575 13808
7 王曼昱 11949 7 600 準優勝 2025 13974
8 鄭怡静 11880 8 1080 2回戦 1350 12150
9 陳幸同 11412 8 300 2回戦 1350 12462
10 陳思羽 11175 8 1125 1回戦* 563 11175
11 杜凱栞 11049 8 1080 1回戦* 563 11049
12 早田ひな 10935 8 1260 2回戦 1350 11025
13 李皓晴 10549 8 789 2回戦 1350 11110
14 丁寧 10530 6 900 2回戦 1464 11994
15 徐孝元 10339 8 630 1回戦* 563 10339
16 佐藤瞳 10320 8 900 準々決勝 1689 11109
17 加藤美優 10014 8 789 2回戦 1350 10575
18 リ・ジエ 9935 8 57 不出場 0 9935
19 森さくら 9789 8 1080 1回戦* 563 9789
20 劉詩雯 9665 6 300 優勝 2364 12029
(「1回戦*」はシード選手の1回戦敗退を示します。この場合獲得ポイントは通常の1回戦敗退の1125ポイントの半分になります)

カタールオープン後の新ランキングポイントで並び替えると以下のようになります。

新ランキング 前ランキング 選手名 新ポイント 最終結果 獲得ポイント
1 2 陳夢 16395 準決勝 1800
2 1 朱雨玲 16185 1回戦* 563
3 3 石川佳純 14100 準決勝 1800
4 7 王曼昱 13974 準優勝 2025
5 4 馮天薇 13970 2回戦 1350
6 6 平野美宇 13808 準々決勝 1575
7 5 伊藤美誠 13005 1回戦* 563
8 9 陳幸同 12462 2回戦 1350
9 8 鄭怡静 12150 2回戦 1350
10 20 劉詩雯 12029 優勝 2364
11 14 丁寧 11994 2回戦 1464
12 10 陳思羽 11175 1回戦* 563
13 13 李皓晴 11110 2回戦 1350
14 16 佐藤瞳 11109 準々決勝 1689
15 11 杜凱栞 11049 1回戦* 563
16 12 早田ひな 11025 2回戦 1350
17 17 加藤美優 10575 2回戦 1350
18 15 徐孝元 10339 1回戦* 563
19 18 リ・ジエ 9935 不出場 0
20 19 森さくら 9789 1回戦* 563

現時点では陳夢が朱雨玲を逆転して1位に返り咲いています。陳夢も朱雨玲も今月のドイツオープンには出場しないみたいなので、4月頭のランキング時点でこの順位は変わりません。なお、15位以降は21以下から上がってくる選手もいるので変わると思います。

1位、2位と3位は2000ポイント近い差があるので4月のランキングでもこのままと思われますが、3位以下は混戦なのでポイントの高い来週のドイツオープンの結果如何で4月のランキングは大きく変わってくると思います。

そういう面でも来週のドイツオープンは楽しみです。
2018カタールオープンの最終結果についてはこちらをご覧ください。

2018年3月11日日曜日

2018カタールオープン 平野美宇 327日ぶりに中国選手に勝利

3/8~3/11で行われている卓球のカタールオープンの女子シングルス1回戦。平野美宇の相手は中国の陳可。この3月に21歳になる中国国家1軍の選手だが、昨年平野美宇が4回負けた顧玉婷やスウェーデンで負けた陳幸同より少し弱いかもしれないが国家1軍では中の上ぐらいの強さだと思います。

今回の平野美宇は今年の全日本選手権のときのような不安そうな表情もなく、落ち着いた感じでした。また、コートの端に飛んで行ったボールを拾いに行くときもゆっくりと歩いていってゆっくりと戻ってきていました。もちろん歩きながら戦略を考えていたのだろうと思いますが、自分を常に落ち着かせるためにわざとそうしているようにも見えました。

試合の展開は以下のとおりです。
<第1ゲーム:13-11>
 10-8 で先にゲームポイントを握るも、3連続ポイントを許し10-11とされ逆にゲームポイントを握られたが、そこから3連続ポイントしてゲームを取った。ポイントをリードされた後のサービスエースがよく決まっていた。これは平野美宇の強みでもある。
<第2ゲーム:11-9>
 第1ゲームに続き10-8で先にゲームポイントを握った。1点は返されたが今回は2点目で仕留めた。
<第3ゲーム:11-8>
第1、2ゲームに続き今回も10-8と先にゲームポイントを握った。今回は一発で仕留めた。ライジングショットも冴えた。ハリケーン平野、復活の予兆を感じさせる。
<第4ゲーム:11-9>
4-1となったところで陳可がタイムアウト。今回はライジングショットを避けるためにネット際に返球していた中国のハリケーン平野対策にも対応していて、対策尽きたのか陳可は少し困惑した表情になっていた。タイムアウト明けに平野美宇が2連続ポイントで6-1としたがそこから陳可が2連続ポイントで6-3となったところで今度は平野美宇がタイムアウト。タイムアウト明けの1点は取られたもののその後2、3点差をキープしていたが最後に連続ポイントされ9-9になった。しかし、そこから2連続ポイントでストレートで勝利した。
平野美宇

平野美宇が中国選手に勝ったのは昨年4月のアジア選手権で丁寧、朱雨玲、陳夢の3選手を倒して以来で11か月ぶりでした。その間にその3選手にリベンジを許したほか、顧玉婷にワールドツアーの1回戦で4回当たって勝てないなど10回以上中国選手に勝てなくて落ち込んでいました。原因は、そのアジア選手権での優勝により下位選手に負けるわけにいかないと自分にプレッシャーをかけてしまい、思うようなプレーができないことのようでした。自分でも原因はわかっているのに、そういうマインドをコントロールできない歯がゆさもあったようです。アジアカップで中国以外の自分よりランクが下の選手に負けて泣いてしまったのもそうゆう部分があったのでしょう。今年の全日本選手権もそういう精神的な不安定さを引きづっているような表情でした。

しかし、今大会ではそういうことを感じさせない落ち着いた雰囲気でしたし、地に足がついている感じでした。たぶん、今年の全日本選手権で優勝できなかったことで少しそういうプレッシャーから解放されたのかもしれません。また、ゆっくりと歩いて自分のペースを保つなど心をコントロールする方法も身に付けたのかもしれません。ツイッターの過去のツイートを自分で全部消したのも、自分の栄光を忘れ去ってもう一度挑戦者に戻るという決意の表れなのだと思います。

準々決勝で石川佳純に敗れて、ツイートの全消去後初めての書き込みがあり「久しぶり 
にスッキリできる試合もありましたが、課題も残ったので、これからに活かせるよう頑張ります」と書いていた。まだまだだがある程度納得もできたということだろう。つまり、吹っ切れたし、前を向くとゆう意味に取れる。ツイッターの書き込みも、納得のいく試合ができるまではやらないと決めていたのだろう。

早田ひなとの2回戦での対戦では陳可戦とは逆に8-10や7-10で先にゲームポイントを握られたがそこから逆転して土壇場の勝負強さも見せた。準々決勝の石川佳純戦では前半は良かったが後半は自分のいいところを出させてもらえず、得意のライジングショットもあまり使えずミスも多くなった。しかし、今回はハリケーン平野が戻ってくる予兆を感じさせてくれて、平野美宇ファンには久しぶりに楽しめた大会だった。今月の23日からのドイツオープンではさらなる活躍を期待したい。

2018年3月7日水曜日

2018カタールオープン U21:木造勇人が準決勝に進出。芝田、佐藤は準決勝に進めず。

3/8から本戦が開始するカタールオープンでは、予選に並行して U21 の試合が行われています。昨日は、1回戦と2回戦が行われ、以下の結果でした。
<女子>
(1回戦)
大藤沙月 vs アリ・マハ(カタール)3-0

(2回戦)
長崎美柚 vs シン・ユビン(韓国)1-3
橋本帆乃香 vs 陳可(中国)1-3
芝田沙希 vs 大藤沙月 3-0
佐藤瞳 vs 木原美悠 3-2

<男子>
(2回戦)
木造勇人 vs 趙大成(韓国)3-0
松山祐季 vs パッサーラ(タイ)3-2

男子は、木造勇人、松山祐季の二人とも翌日の準々決勝に進み、二人が対戦することになりました。女子は、日本人同士の対決を制した芝田沙希と佐藤瞳が準々決勝に進みました。
準々決勝はすでに終了しておりが以下の結果になりました。
<女子>
芝田沙希 vs 張端(中国)0-3
佐藤瞳 vs 崔孝珠(韓国)0-3
<男子>
木造勇人 vs 松山祐季 3-1

この結果木造勇人だけが準決勝に進みました。準決勝の対戦相手は香港の呉柏男です。勝てば、反対の山からは昨年世界ジュニア選手権シングルス優勝の中国の薛飛が上がってくる可能性が強いです。

試合予定:
準決勝:vs 呉柏男(香港)3/7 22:00(日本時間) テーブル4
決勝:3/7 26:30(日本時間) テーブル不明

カタールオープンU21女子シングルス

カタールオープンU21男子シングルス
試合の模様はITTFのライブ配信で視ることができます。

(追記)
木造勇人選手は残念ながら準決勝で香港の呉柏男に負けて決勝に進めませんでした。
優勝は中国の薛飛でした。

2018年3月6日火曜日

2018カタールオープン U21がもうすぐ開始

2018カタールオープンのU21の試合とシングルス/ダブルスの予選が今日から始まります。

U21は今日と明日(3/6と3/7)で終えてしまうため今回は忙しいです。
女子は日本選手は6名がU21に参戦しています。ほとんどが1回戦が不戦勝で2回戦からですが大藤沙月選手だけが1回戦からです。

U21女子シングルス1回戦

大藤沙月 vs ALi Maha(カタール) 3/6 9:30(日本時間15:30) テーブルT2

この試合はITTFのライブ配信itTVで視ることができます。



2018カタールオープンのシード選手のデータまとめ

ITTFの2018カタールオープンのメディア向けの資料にシード選手のデータのまとめがあったのではっておきます。

2017年の国際試合での勝率は、日本人で一番高いのは石川佳純の70%、男子では張本智和は70%です。平野美宇は1回戦負けが多かったからか、早田ひな、加藤美優、森さくらより低いですね。もちろん、プラチナでないワールドツアーやチャレンジシリーズには出場していないのでより強い相手に当たっているというのもあると思います。伊藤美誠も意外と低いですね。昨年前半は早い段階で負けることが多かったからでしょうか。水谷隼は昨年はプロリーグやT2を中心にやっていたのでITTFの国際大会の出場が他の選手の半分ほどと少ないのであまり参考にはならないと思います。

2018カタールオープン女子シングルスのシード選手基礎データ

2018カタールオープン男子シングルスのシード選手基礎データ
もとの資料はここでごらんください。

2018年3月1日木曜日

チームワールドカップ終了後の石川佳純のITTFインタビュー

チームワールドカップが終了しました。男女とも決勝戦で中国にストレートで敗れて銀メダルでしたが頑張りました。特に、男子はチームワールドカップでは初めての銀メダルを水谷隼を欠きながら取れたということはチームの総合力という意味で大きな意味があるでしょう。女子は、平野美宇の出場がなかったのは個人的には残念だったのですが、チームに17歳の黄金世代が入ることでチームの平均年齢が20歳を下回っているという点では今後のパワーアップに大いに期待できると思います。

さて、ITTFのホームページに大会後の石川佳純へのインタビューを含む記事があったのでちょっと触れておきます。

中国が制したが、日本はこれままで最も中国に迫り中国打倒を狙っている


ITTFチームワールドカップの女子のタイトルはまた中国が手にした。この大会が1990年に日本で始まってから中国が勝てなかったのは、フランスのニームで1994年に開催されロシアチームが優勝した大会1度きりだ。

2月25日の午前中にロンドンのカッパーボックスアリーナで、丁寧、劉詩ウェン、朱雨玲の3人は、日本の石川佳純、伊藤美誠、早田ひな3人との対戦で3-0で勝利した。
石川佳純(Photo: Remy Gros)

疑いようもなく中国は一歩抜きんでている。しかし、日本はこれまでで最も迫って来ているのではないだろうか。

決勝まで中国は1試合も落とさずすべての対戦で3-0で勝ち上がっている。しかし、日本もたった1試合を落としただけで同じように勝ち上がっているのだ。唯一、準々決勝で早田ひながユ・モンユに負けた(8-11,5-11,11-8,11-13)だけである。

さらに、伊藤美誠と早田ひな、そして平野美宇はまだ17歳という点だ。彼女たちにとっては、今回が初めてのITTFチームワールドカップだった。石川佳純だけが福原愛と平野早矢香とともに、2011年と2013年に出場しどちらも2位だった。

ここロンドンでも日本は準優勝だった。石川佳純の銀メダルに対する反応には、色を金に変えたいという熱望が見て取れた。日本が今これほどまで中国に迫り、また世界の他の国と大きく差を広げているのはなぜだろうか。

ITTFアフリカ報道局のオラルカン・オクサンに、石川佳純はこう述べている。

この大会では日本は初戦から非常によく戦ってきました。しかし、この決勝戦は自分たちにとっていい試合だったとは言えません。特に自分自身は、良くなかったと思います。このことはもう忘れて、日本に帰ってスウェーデンでの世界選手権に備えたいと思います。

いつまでも中国の脇役でいるわけにはいかないので、中国チームに今回の借りを返すことができることを願っています。

今、このような試合は日本にとって重要で、試合のたびに強くなることができていると思います。もちろん、中国選手を尊敬する必要もあります。彼女たちは非常に強いですし、そのことを認識する必要もあります。

2017年は日本はいくつかの大きな大会で中国選手に勝つことができました。その理由は、日本のシステムがシニアチームに若い選手たちを参加させるシステムだからです。このシステムは成功し、日本はさらに多くの若い選手をチームに参加させています。日本は、チームの若い選手達と一緒に、中国との対戦でベストを尽くすためにこのシステムを継続していく必要があります。

(注)元の記事のリンクです

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