2017年10月31日火曜日

伝説にはなれなかった - 平野美宇、女子ワールドカップ 4位

「2連覇して伝説(レジェンド)になりたい」と言っていた平野美宇ですが、準決勝で中国の劉詩ウェンに敗れ優勝を逃してしまいました。

 スコアは、ゲームカウント0-4(5-11、7-11、1-11、6-11)でした。平野美宇はまだ劉詩ウェンには勝ったことがありません。今年は、アジア選手権の団体戦決勝で対戦しましたがそのときも1-3で負けています。今回は、平野美宇を完全に意識して対策をして来たようで「美宇も進化しているのでしっかり対応してくるが、こちらも対策している」と言っていたとテレビ東京の記事にありました。尊敬する劉詩ウェンにここまで意識してもらえるのは嬉しいことですが、試合では第2ゲームと第4ゲームの前半に少し攻めることができたものの、完全に抑え込まれ自分の試合をさせてもらえませんでした。やはり技術の差があると感じさせられます。また、劉詩ウェンはミスも少なく安定しています。
 
 準決勝で敗れた平野美宇は、もう1つの準決勝で中国の朱雨玲に敗れた台湾の鄭怡静(チェンイーチン)と3位決定戦を戦いました。平野美宇と鄭怡静の対戦は昨年の決勝戦と同じ顔合わせです。昨年はストレートで勝っているので楽勝かと思いました。1ゲーム目は11-8で取ったのですが、鄭怡静も平野美宇の攻撃に対応できていました。第2ゲームでも以前は決まっていた攻撃に対応され、5-11で取られてしまいました。第3ゲームは11-9でなんとか取ったもののだんだん鄭怡静ペースになり、第4ゲームを9-11で逆に取られ、その後も自分のペースに持ち込むことができず第5、6ゲームを5-11、8-11で連取されてしまいました。

 今回のワールドカップでの平野美宇はけして調子は悪くなかったと思います。準決勝の劉詩ウェン戦は自分の試合をさせてもらえなかったのは今の実力や経験の差ではしかたないのでしょう。3位決定戦は、今回は中国選手がいるので前回チャンピオンということは意識しないと言いながらもやはり期待値を高く置いてしまい昨年のワールドカップや今年のアジア選手権のように「無心」では戦えず、こんなはずではと体が硬くなって反射的な動きが相手に負けていたように感じます。
 
しかし、4位と言っても3位決定戦がなかった世界選手権と同じ位置だし、昨年の優勝がなければ上出来と感じるはずの結果なので、けして悪い成績ではない思います。11月も大会が続くので頑張って欲しいです。

2017女子ワールドカップ最終日の結果と感想はこちらをご覧ください。



2017年10月21日土曜日

男子ワールドカップ - 今日ステージ2の1回戦と準々決勝、丹羽は準々決勝で馬龍と対決か

卓球の2017男子ワールドカップは、20日に行われたステージ1の1位と2位の8選手とシード1~8位までの選手、合計16名で行われるステージ2の組み合わせ(ドロー)抽選がステージ1終了後に行われました。

その結果、水谷隼の1回戦の相手はナイジェリアのクアドリ・アルナ(世界ランキング36位)、丹羽孝季の相手は韓国のリー・サンス(世界ランキング16位)となりました。丹羽孝季のいる前半の8選手の山には中国選手の2選手がいるので大変です。丹羽孝希は、1回戦に勝った場合、次の準々決勝で中国と馬龍と当たる可能性が高いです。

(ステージ2組み合わせと2日目試合時間)


なお、試合の模様はテレビ東京のサイトで全試合ライブ配信されます。
2017男子ワールドカップのステージ2の詳細はこちらをご覧ください。

卓球の男子ワールドカップが20日から開催

卓球の男子ワールドカップがベルギーのリエージュで始まりました。
参加選手は20名で、1日目の20日はステージ1でシードの下位12選手が3名ずつの4グループに分かれて総当たりで試合をします。各グループの1位と2位の選手が21日からのステージ2に進めます。

ステージ2では21日と22日の2日間で行われ、シード上位8選手とステージ1から進出した8選手の合計16選手でトーナメントで優勝を争います。また、準決勝の敗者同士での3位決定戦も行われ、1位、2位、3位を決定します。

日本からは水谷隼と丹羽孝季が参加していて、シード順の上位8名に入っているので二人ともステージ2からの登場です。中国からは世界卓球優勝の馬龍とアジアカップ優勝の林高遠が出場しています。

ステージ2の模様はテレビ東京の公式サイトで全試合ライブ配信されます。

2017ワールドカップの参加選手、試合方法、見どころについてはこちらをご覧ください。
2017男子ワールドカップ ステージ1のグループ分けと対戦スケジュール、途中結果はこちらをご覧ください。

2017年10月19日木曜日

女子ワールドカップ 丁寧の代わりに劉誌ウェンが出場するらしい

ITTFのホームページで確認すると10/2付の出場予定者のリスト(たぶん最終)で、世界卓球選手権優勝者枠の丁寧に代わって劉誌ウェンが出場するようになってます。

 劉誌ウェンは先月のアジアカップで2位だったのですが、ワールドカップでは同一国からの出場は2名までで、世界選手権優勝者枠の丁寧とアジアカップ優勝者枠の朱雨玲で2名になるため出場できないことになっていた。このため、4位の平野美宇がアジアカップからの出場枠3名の3番目に繰り上げられました(ちなみにアジアカップ枠に入らなくても出場はできましたが)。最新のリストでも、平野美宇はアジアカップ選出枠のままで、劉誌ウェンは丁寧の「代理」となってます。丁寧は昨年のようにまた体調を崩したのでしょうか。それとも、今夏の全中国運動会で優勝し「大満貫」を達成して満足してしまったのでしょうか。

2017ワールドカップの出場者、試合方式についてはこちらにまとめました。

 

2017年10月18日水曜日

世界ジュニアの日本のメンバーも決まってるみたい、本気の中国に大丈夫?

先日、今年11月末からの世界ジュニア選手権に中国が今考えられるベストの陣容で臨むことをお伝えしましたが、日本の出場選手も決まったようですね。

男子は、張本智和と愛知明電高の3名です。張本智和は男子シングルスの連覇を狙うのでデフォルトだと思います。中国も今年のアジアジュニア選手権で男子シングルス優勝の王楚欽(ワンチューチン)が出るので男子シングルスは張本智和との一騎打ちになると思います。二人ともT2APACに出場していて張本智和は王楚欽に勝ってますので十分に連覇を狙えます。団体戦は、中国はU18の上位4名を揃えましたが日本といい勝負をすると思います。

女子は、中国が10月の世界ランキング9位と11位の孫穎莎(スンインシャ)と王曼昱(ワンマンユ)を始めやはりU18の上位4名の超本気メンバーを揃えてきているので、日本もU18上位メンバーで対抗してほしいところでしたが、出場選手は加藤美優(世界ランキング21位)、木原美悠(同106位)、長崎美柚(同107位)、木村光歩(同297位)となりU18の日本選手の中でも4番、7番、8番、17番目のメンバーなので、出場予定選手には失礼ですがベストメンバーとは言えません。加藤美優は今回で最後ですが他のメンバーはまだ何度か出場できる機会があるので今後のための経験というスタンスの選手選考だったのでしょう。しかし、中国は王曼昱が年齢的に今回が最後でこれだけの陣容で来ることは後にも先にも今回だけかもしれないので、ディフェンディングチャンピオンの日本はぜひベストメンバーで臨んでほしかったです。ちなみに、現在のU18の日本のトップ4は平野美宇、伊藤美誠、早田ひな、加藤美優と昨年出場した選手です。

それに、ジャパンオープン優勝で世界ランキング9位の孫穎莎、オーストリアオープン優勝で世界ランキング11位の王曼昱、昨年の世界ジュニア女子シングルス優勝の石洵瑤の中国と、アジア選手権優勝で世界ランキング5位の平野美宇、チェコオープン優勝で世界ランキング7位の伊藤美誠、世界ランキング15位の早田ひなの日本の対戦だったんです。ジュニアの大会で世界ランキングトップ10を3人(トップ20で言えば6人)がまみえる試合が実現したかもしれなかったんです。この超豪華な対戦を楽しみにしていたのですが残念です。

今回、選ばれてる選手の皆さんこんなこと書いてごめんね。許してね。

(追記)今日の2018世界選手権の一次選考会Bグループで長崎美柚が2位、木原美悠が3位に入り、二次選考会(12/23、24)に進みました。頑張ったね。僕は子供のころ夏休みに祖父母のいる長崎県佐世保市木(ゆのき)によく行ってました。なんか親しみのある名前です。長崎美柚選手がんばれ!


2017年10月15日日曜日

来年のユースオリンピックの予選に平野美宇と張本智和が出場

 来年10月にアルゼンチンのブエノスアイレスで行われる第3回ユースオリンピックのアジア予選に卓球の代表として平野美宇と張本智和が参加することが日本卓球協会から発表されました。
 アジア予選は11月3日から11月5日にインドで行われます。
ユースオリンピックは14歳から18歳が出場できます。前回は2014年に中国の南京で開催されました。卓球の代表は加藤美優と村松雄斗でした。平野美宇は予選の段階では13歳でしたが本戦は8月だったので大会の時点では14歳だと思うのですが、今回の大会の要項を見ると参加資格は2000~2003年生まれとなっているので、前回は1996~1999年生まれだったのでしょう。
 前回の卓球の代表は加藤美優と村松雄斗でした。卓球の競技は、男女それぞれのシングルスと男女1名ずつ団体戦(それぞれがシングルスを1試合ずつ)の混合戦の2種類が行われたようです。加藤美優は準決勝で中国の劉高陽に敗れ3位決定戦で米国のリリー・チャンに敗れメダルを逃しています。村松雄斗は決勝で中国の樊振東(ファンジェンドン)に敗れましたが銀メダルに輝きました。樊振東はいまや中国ナンバー2で常に決勝で馬龍と対戦する選手に成長しました。劉高陽は名前を聞くことが少ないですが、国家一軍のメンバーです。混合チーム戦でも決勝で中国(樊振東と劉高陽)と対戦し2人とも負けましたが銀メダルを獲得しています。

 中国の代表は発表されているかもしれませんがわかりません。ただ、女子は2000年生まれの孫穎莎(スンインシャ)が出て来るかもしれません。

平野美宇は、東京オリンピックの前哨戦として是非金メダルを獲得してほしいですね。

2017年10月12日木曜日

今年の世界ジュニア選手権、中国は超本気

今年の世界ジュニア選手権の中国代表メンバーが発表されたが、女子の顔ぶれがすごい。

  • 王曼昱(ワンマンユ)
  • 孫穎莎(スンインシャ)
  • 銭天一(チェンティンイ)
  • 石洵瑶(シーシンヤオ)
この4人だが、王曼昱と孫穎莎はみなさんもよくご存じだろう。10月の世界ランキングでは孫穎莎はトップ10に返り咲き9位、王曼昱は11位である。王曼昱は、昨年出場すれば3連覇の可能性があったのだがスーパーリーグを優先して出場しなかった。来年2月には19歳になるので今回最後のチャンスで、スーパーリーグもあるかどうかわからないのでこちらへの出場が決まったのだろう。日本は、まだ出場選手が決まっていないようだが世界ランキングトップ10の平野美宇と伊藤美誠、今年T2APACで王曼昱や孫穎莎と何度も対戦している早田ひなの3人を出さない手はない。

ここで、この4人について少し紹介しておく。


    - 王曼昱(ワンマンユ)
    1999年2月9日生まれ 18歳
    2014年、2015年世界ジュニア選手権女子シングルス優勝
    2014年アジアジュニア選手権女子シングルス準優勝
    2017ワールドツアープラチナ カタールオープン準優勝
    2017ワールドツアープラチナ オーストリアオープン女子シングルス優勝
    2017年1月の国家一軍若手14名によるトーナメントで13勝1敗で陳夢を抑えて優勝
    丁寧、劉詩ウェン、朱雨玲、陳夢を食うこともしばしばで、次期エース最有力

    - 孫穎莎(スンインシャ)
    2000年11月8日生まれ 16歳
    2017ワールドツアープラチナ ジャパンオープンにシニア初挑戦でいきなり優勝
    2017ワールドツアープラチナ 中国オープン準優勝
    2017年アジアジュニア選手権女子シングルス優勝
    2017年1月の入れ替え戦に勝ち国家一軍に昇格
    突然にトップに上がって来た新星だが、ジャパンオープンでは王曼昱にストレートでかっている。

    - 銭天一(チェンティンイ)
    2016年アジアジュニア選手権女子シングルス優勝
    2017年アジアジュニア選手権女子シングルス準優勝

    - 石洵瑶(シーシンヤオ)
    2016年世界ジュニア選手権女子シングルス優勝
    (平野美宇に4-0、加藤美優に4-2で勝利、団体戦は平野美宇に勝利、伊藤美誠と1勝1敗)




    2017年10月11日水曜日

    10/27からワールドカップ 平野美宇の連覇なるか

     昨年、平野美宇が優勝して話題になった卓球の女子ワールドカップが近づいてきました。平野選手は連覇を狙いたいと言っていますが、連覇はできるでしょうか。

     昨年との大きな違いは中国選手の参加です。昨年は、出場予定だった丁寧と劉詩ウェンが直前に病気で出場できなくなり中国選手不在の大会になり、今まで中国選手が独占していたワールドカップ優勝を初めて中国以外の選手が手に出来るということで、シンガポールのフェン・ティアンフェイを始めみんなが虎視眈々と狙う中で、第5シードから勝ち上がり最年少で優勝しました。
     今回は、中国からは現在世界ランキング1位と2位の丁寧と朱雨玲が参加します。二人ともアジア選手権では平野美宇に負けていますが、その後2回ずつ平野美宇にリベンジしています。今回は、出場選手を見ても平野美宇、石川佳純、丁寧、朱雨玲の決戦になりそうです。丁寧とは石川佳純が先に当たりそうなので、朱雨玲を準決勝で倒して、決勝で丁寧(または石川佳純)を倒して優勝して、久しぶりにピョンピョン跳ねて欲しいです。

    なお、2017ワールドカップの出場選手、試合方式、見どころのまとめはこちらをご覧ください。

    2017年10月9日月曜日

    伊藤美誠がポーランドオープンで優勝

     伊藤美誠が先週の金、土、日(10/6~8)で行われたポーランドオープンの女子シングルスで優勝した。とはいえ、今回のポーランドオープンはワールドツアーではなくチャレンジシリーズでワールドツアーより格下の大会である。そのため、上位選手はあまり出場しておらず中国からの出場はなく、日本からは男子2名、女子7名の計9名の参加だった。そのため、伊藤美誠のようなトップ10の選手が参加することはあまりなく、伊藤美誠はシード1位だったので順当な優勝と言える。ただ、芝田沙紀との決勝は4-1で貫禄勝ちだったが、加藤美優との準決勝は4-3で危なかった。
     今回伊藤美誠がレベルを下げてチャレンジシリーズに参加した意図はわからないが、10月は平野美宇と石川佳純がワールドカップに出場するが、ワールドツアーの開催はないので出場する試合がないためではないだろうか。また、来年から世界ランキングのポイント・システムが変わるため少しでも稼いでおきたいということもあると思う。2018年からのポイント取得システムでは、チャレンジシリーズでの優勝は750ポイントでワールドツアーの1350ポイントには劣るが、ワールドツアープラチナでベスト32で敗退の場合の840ポイントに近いので、オーストラリアオープンで1回戦で中国選手に負けたのと同じぐらいのポイントが稼げる。ワールドカップ参加組は最低1020ポイントは稼ぐので、9月は中国甲Aリーグに参加して国際試合にでていない伊藤美誠としては2か月連続の国際試合のブランクは作りたくなかったのだろう。

    2017年10月8日日曜日

    中国卓球リーグの「日本選手排斥」は「誤報」が結論

     昨日紹介した卓球情報においては自分が最も信頼できると思っている卓球専門誌「卓球王国」のウェブサイトで中国卓球リーグの日本選手排斥に関する新たな記事「日本選手排斥はあり得ない」が出た。

     否定理由は昨日投稿した記事「中国スーパーリーグの日本選手締め出しは、やはり誤報らしい」と同じだが、さらに中国卓球界では劉国梁総監督の辞任、男子トップ3選手の中国オープンでのボイコットと異常事態が発生した上に、8月から9月にかけて開催された4年に一度の全中国運動会もあり、中国卓球協会は非常に忙しくスーパーリーグの日程さえ決まっていないほどで、海外選手締め出しなどが協会から発せられることはあり得ないし、これまでの日中の卓球協会の友好関係から考えてもあり得ないと結論付けている。

     また「日本排斥」などの多くの記事に書かれている「平野美宇の排除が真の目的」といこと自体も、平野美宇はアジア選手権の後は中国の若手選手に負けており、国内メディアはあまりに過大評価し、過敏になり過ぎているということを付け加えている。
    確かに、平野美宇は中国の顧玉婷にカタール、オーストラリア、オーストリアと今年のワールドツアープラチナ3大会で1回戦で当たり3連敗中だ。また、丁寧に2回リベンジされた以外に陳夢に1回、朱雨玲にも2回リベンジされ、本気になった中国の強さを見せつけられている。

     結局「スポーツ紙が扇情的に、大げさに報道したことを、さらに中国側の裏を取らずに通信社や一般紙が追従したことも残念だ。記事の中でも「誰が主語なのかがはっきりしていない。」とし、今回のように何も正式なコメントを発していない中国卓球協会が悪者扱いされ(実際、ヤフーニュースでのコメントには中国は狭量だと非難するものが多かった)たケースは協会関係者としては納得いかないだろうし、間違った情報がネットやテレビを駆け巡り一般の人にまでインプットされてしまう怖さを感じたとしている。

    実際、自分も同じことを感じる。今回のニュースは日本を発端として中国のネットに広まっている。中国卓球協会のお偉いさんの耳に入って気を悪くされて、友好だった日本卓球協会との間に亀裂が生じ現実になってしまうということにでもなれば、まさに本末転倒である。

    ここで付け加えると、卓球の話題に敏感なテレビ東京のスポーツウォッチャーがこの話題に触れなかったのはさすがだった。たぶん、裏が取れなかったのだろう。

    平野美宇の今年の中国スーパーリーグ参加への考察についてはこちらをご覧ください。


    2017年10月6日金曜日

    中国スーパーリーグの日本締め出しは、やはり誤報らしい

     昨日、日刊スポーツから端を発した中国スーパーリーグの日本選手締め出し報道の拡散はどうも日刊スポーツの早とちりっぽい。それをもとに、読売、時事、ヤフーニュース、NHKのニュースになったようだ。
     本日の卓球専門誌「卓球王国」のウェブページに出た記事では、昨日のニュースをもとに日本卓球協会の宮崎義仁強化本部長に取材し、「そのような事実はない」ことを確認したようだ。唯一、NHKテレビのニュースで言っていた「平野美宇の契約先が契約金の資金不足を理由に断って来た」ということだけが事実のようだ。

     自分でも昨夜中国のサイトをいろいろ検索してみたがそういうニュースは一切みつからなかった。もともと、平野美宇のアジア選手権での活躍以来中国のサイトでは個人のサイトも含め日本選手を受け入れて鍛えてやる必要はないという意見が飛び交っている。卓球王国の記事にも日刊スポーツの記事に対して「本当にそれは真実なんだろうか。それとも過剰に反応した誤報だろうか。新聞記者は事実の裏を取ったのだろうか、という疑問が残る」と書かれている。自分もそう思う。第一、日刊スポーツの記事には中国スーパーリーグの参加の成果がすぐに表れて昨年10月のワールドカップで優勝したと書かれているが、これは間違いである。実際には、契約したのはワールドカップ前だったが参加はワールドカップの後だった。ワールドツアー優勝の勲章を持って参加できたのでほとんどの試合でトップ選手と戦わせてもらえることになったのだ。この辺りの事実誤認を見ても記事の信ぴょう性には自分も疑問を覚える。

     これも、「卓球王国」のウェブサイトの記事からの情報だがわかっていることは次の点だけだ。

    1. 平野美宇が交渉を進めていた中国の黒龍江省のチームが資金不足を理由に断ってきた
    2. 中国卓球協会の事務局は「日本排斥」は寝耳に水
    3. 中国卓球協会は外国選手参加禁止の通達は出していない
    4. スーパーリーグの日程自体がまだ決まっていない
    5. 通常は、選手とクラブの契約は中国卓球協会も口を出さない
    6. スーパーリーグの2、3の監督から外国人は取らないという話は出ている
    7. 日本卓球協会も中国から外国選手参加禁止の連絡は受けていない
    「卓球王国」は長い歴史を持つ卓球専門誌で日本選手が出てない全中国運動会でも現地取材を行うぐらい中国卓球界に密着しているので、今のところ最も信頼できるのではないか。
    なんせ、今回の日本のニュースが逆に中国で話題になっているらしい。
    とはいえ、中国で日本選手の急成長が警戒されているのは事実であり、実際に日本選手が受け入れないことになる可能性はもちろんある。

    今年の平野美宇の中国スーパーリーグ参加への考察についてはこちらをご覧ください。

    2017年10月5日木曜日

    中国スーパーリーグが日本選手を排除、本当?

     今日、日刊スポーツで中国の卓球リーグが日本人選手を排除するという記事が流れた。今年、平野美宇と石川佳純が11月からの参加を表明し中国スーパーリーグのチームと契約交渉していたが日本卓球協会に中国側から参加不可の連絡が入ったらしい。説明としては、1チーム1名の外国人選手の参加枠を設けていたものを今年から廃止するということらしいが完全に日本選手外しではないかと見られている。
     NHKテレビのニュースでは、平野美宇と「契約条件が合わなかったため」と契約できないという連絡があった伝えていた。

     今年は、スーパーリーグの下部の甲Aリーグに伊藤美誠が参加しているものの、平野美宇のアジア選手権でのトップ3選手撃破の衝撃は大きかったようで日本選手受け入れについて賛否両論渦巻いていた。人気選手を加えた方が活性化されていいという中国国内の意見も多く、実際平野美宇に5000万円をオファーしていたチームもあったほどだ。

    これで決定かまだ中国側の記事を確認できていないので調べてみようと思う。

    今年の平野美宇の中国スーパーリーグへの参加への考察はこちらをご覧ください。
    昨年の平野美宇の中国スーパーリーグへの挑戦についてはこちらのページをご覧ください。


    2017年10月1日日曜日

    オーストリアオープン 最終日の結果と王曼昱についてまとめました

    オーストリアオープンが終わって1週間ですが、時間がなくて最終日の結果をまとめてなかったのでまとめましたが、平野美宇はいない上に4試合しかなかったので、ワールドツアー初優勝の王曼昱についてまとめた感じになってしまいました。

    詳細はこちらをご覧ください。

    ちなみにこの優勝で9月に14位だった王曼昱のポイントがこの優勝でかなり増えると思います。
    以下にこの大会での獲得ポイントを計算して見ました。
    1. 王曼昱の獲得ポイント
    1回戦と2回戦のポイント:9p
    陳夢(441p差)に勝利:48p
    孫穎莎(110p差)に勝利:24p
    顧玉婷に勝利(-169p差):8p
    優勝によるボーナスポイント:54p
    合計獲得ポイント(概算)= 143p

    2. 孫穎莎の獲得ポイント
    1回戦~準々決勝での獲得ポイント:18p
    王曼昱(-110p差)に敗戦:-12p
    準決勝で敗戦:36p
    合計獲得ポイント(概算)= 42p

    現在、王曼昱と孫穎莎は110ポイントの差があるので微妙に逆転はなさそうですね。
    しかし、12位と13位の佐藤瞳と橋本帆乃香は王曼昱に抜かれるかもしれません。8位のシンガポールのフェン・ティアンウェイはアジアカップしか出ていないのであまりポイントの動きがないと思われ、そこまでは届かないとと思いますが、孫穎莎と王曼昱が9位と10位に入ってくる可能性は十分にあります。

    ちなみに1回戦で格下に負けた平野美宇と石川佳純の今大会の獲得ポイントは、次のとおりです。
    平野美宇:顧玉婷(-447p差)に敗退[-24p] + ベスト32で敗退[18] = -6p
    石川佳純:顧若辰(-626p差)に敗退[-27p] + ベスト32で敗退[18] = -9p

    アジアカップでは石川佳純のほうが成績がよかったので平野美宇と石川佳純の順位の入れ替わりもなさそうですね。

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