2017年10月6日金曜日

中国スーパーリーグの日本締め出しは、やはり誤報らしい

 昨日、日刊スポーツから端を発した中国スーパーリーグの日本選手締め出し報道の拡散はどうも日刊スポーツの早とちりっぽい。それをもとに、読売、時事、ヤフーニュース、NHKのニュースになったようだ。
 本日の卓球専門誌「卓球王国」のウェブページに出た記事では、昨日のニュースをもとに日本卓球協会の宮崎義仁強化本部長に取材し、「そのような事実はない」ことを確認したようだ。唯一、NHKテレビのニュースで言っていた「平野美宇の契約先が契約金の資金不足を理由に断って来た」ということだけが事実のようだ。

 自分でも昨夜中国のサイトをいろいろ検索してみたがそういうニュースは一切みつからなかった。もともと、平野美宇のアジア選手権での活躍以来中国のサイトでは個人のサイトも含め日本選手を受け入れて鍛えてやる必要はないという意見が飛び交っている。卓球王国の記事にも日刊スポーツの記事に対して「本当にそれは真実なんだろうか。それとも過剰に反応した誤報だろうか。新聞記者は事実の裏を取ったのだろうか、という疑問が残る」と書かれている。自分もそう思う。第一、日刊スポーツの記事には中国スーパーリーグの参加の成果がすぐに表れて昨年10月のワールドカップで優勝したと書かれているが、これは間違いである。実際には、契約したのはワールドカップ前だったが参加はワールドカップの後だった。ワールドツアー優勝の勲章を持って参加できたのでほとんどの試合でトップ選手と戦わせてもらえることになったのだ。この辺りの事実誤認を見ても記事の信ぴょう性には自分も疑問を覚える。

 これも、「卓球王国」のウェブサイトの記事からの情報だがわかっていることは次の点だけだ。

  1. 平野美宇が交渉を進めていた中国の黒龍江省のチームが資金不足を理由に断ってきた
  2. 中国卓球協会の事務局は「日本排斥」は寝耳に水
  3. 中国卓球協会は外国選手参加禁止の通達は出していない
  4. スーパーリーグの日程自体がまだ決まっていない
  5. 通常は、選手とクラブの契約は中国卓球協会も口を出さない
  6. スーパーリーグの2、3の監督から外国人は取らないという話は出ている
  7. 日本卓球協会も中国から外国選手参加禁止の連絡は受けていない
「卓球王国」は長い歴史を持つ卓球専門誌で日本選手が出てない全中国運動会でも現地取材を行うぐらい中国卓球界に密着しているので、今のところ最も信頼できるのではないか。
なんせ、今回の日本のニュースが逆に中国で話題になっているらしい。
とはいえ、中国で日本選手の急成長が警戒されているのは事実であり、実際に日本選手が受け入れないことになる可能性はもちろんある。

今年の平野美宇の中国スーパーリーグ参加への考察についてはこちらをご覧ください。

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