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2019年6月1日土曜日

7月のT2ダイヤモンド大会の出場選手(女子選手)のシミュレーションをしてみた

昨日は残念ながら平野美宇選手は中国オープンの2回戦で中国の丁寧選手(世界ランキング1位)に負けてしまいました。
試合後のインタビューでT2ダイヤモンド大会に出場できるかどうかを気にするコメントがありました。日曜日に大会が終われば結果はでますが、一足先にシミュレーションしてみました。

<平野美宇、丁寧との2回戦後のインタビュー>

シミュレーションの前に、なぜT2ダイヤモンド大会が大事と平野美宇選手が考えているかを説明しなければならないですが、その前にT2ダイヤモンド大会とは何かを説明します。

T2ダイヤモンド大会やそれがなぜ大事かをすでにご存じの方は、「4. 7月のT2ダイヤモンド大会出場選手のシミュレーション」まで飛ばしてください。

1. T2ダイヤモンド大会とは

T2ダイヤモンド大会は今年から新設された国際大会で、7月にある大会が第1回なので、昔から卓球を観ている方もなじみがないと思います。

T2ダイヤモンド大会は簡単に言うと、次のような大会です。
  • ワールドツアーとワールドツアープラチナの成績上位選手のみが出場
  • 種目は男子シングルスはと女子シングルス
  • 出場選手は男女それぞれ16名(開催国の選手1名含む)で予選はない
  • 2019年は3回開催
T2ダイヤモンド大会の詳細な説明はこちらをご覧ください。)
出場選手は男女それぞれ16名なので、1回戦、準々決勝、準決勝、決勝と4ラウンドしかありません。

2. T2ダイヤモンド大会がなぜ大事か

 今年は、東京オリンピックの代表を目指して戦う重要な年だということは皆さんご存知でしょう。でも、どうして重要なのか具体的にご存じでしょうか。
理由はこうです。
  1. 東京オリンピックのシングルスの代表は男女それぞれ2名(団体戦では1名追加)
  2. その2名は2020年1月頭に発表される世界ランキングでの日本選手上位2名
  3. 2020年1月の世界ランキングは2019年1月~12月に開催された大会で獲得したポイントから算出したランキングポイントの多い順に決まる
  4. ランキングポイントに算入できるポイントは最大8大会分
少し乱暴な説明ですが、だいたいこんな感じです。

つまり、ランキングポイントは出場した大会すべてのポイントの合計ではなく、出場した各大会で獲得したポイントのうち「ポイントの多い方から8個」の合計です。
年間に10大会出場した場合は、そのうちの8大会のポイントということになります(実際には1年以上前の大会でも算入できる場合、逆に1年以内の大会でも算入できない場合があります(ランキングポイントの詳細はこちらをご覧ください)。

世界ランキングを決定するランキングポイントが選手にとって重要であることが理解いただけたでしょうか。

2018年、そして今年もこれまではこのように
「8大会のポイントの合計=ランキングポイント」
として世界ランキングが決まって来ましたが、実はT2ダイヤモンド大会の登場で少し話が違ってきました。

国際卓球連盟(ITTF)はT2ダイヤモンド大会のポイントを次のように決めたのです。
  • T2ダイヤモンド大会の獲得ポイントはランキングポイントに算入できる
  • T2ダイヤモンド大会のポイントを算入する場合、「8大会」に含まない
つまり、ランキングポイントを次のように計算できるようにしたのです。
2019年からの新しいランキングポイントの算出方法
これは、T2ダイヤモンド大会のポイントを今までのランキングポイントに上乗せできることになり、出場した選手は出場しない選手に比べてランキングポイント上で有利になります。これは、世界ランキングでも有利になるということを意味します。

どうでしょうか。T2ダイヤモンド大会に出場することが世界ランキングを争う上で重要なことがご理解いただけたでしょうか。

3. T2ダイヤモンド大会の出場資格

では、T2ダイヤモンド大会の出場選手はどうやって決まるのでしょうか。

上で説明したように、T2ダイヤモンド大会の出場はワールドツアーとワールドツアープラチナの2種類の大会(大会の種類についてはこちら)の成績だけが対象で、世界ランキングのように世界選手権やワールドカップなどは対象になっていません。

そのためワールドツアー/プラチナ以外の大会も対象のランキングポイントは使いません。
かわりに、次のような「ワールドツアーポイント」というのを使います。
  • ワールドツアーとワールドツアープラチナ(各年6回)の結果でポイントを獲得
  • ポイントが獲得できるのは本戦のみ
  • 算入できるポイントの数に制限はない(全大会に出場すると12個)
  • 各大会の結果で獲得できるポイントは次の表のとおり

そして、ワールドツアーポイントの多い順に出場選手が決まります。
出場選手16名にはかならず開催国の選手を1名含むことになっていますので、実際には上位15名になります。ただし、上位選手に開催国の選手が含まれている場合は上位16名となります。

かなり複雑ですが、T2ダイヤモンド大会の出場資格について理解いただけたでしょうか。

なお、T2ダイヤモンド大会で獲得できるランキング用のポイントは、次の表のようになっています。

出場すれば最低でも400ポイントを獲得できます。このため、3大会とも出場すれば少なくとも1200ポイントを通常のランキングポイントに上乗せできるわけです。

4. 7月のT2ダイヤモンド大会出場選手のシミュレーション

さて、やっと本題ですが、ここでもう1つ説明しておかなくてはならないのが次の点です。
  • ワールドツアーポイントはその年のワールドツアー/プラチナのみが対象
  • 各T2ダイヤモンド大会の出場を決める大会は次のとおり
    1. 第1回:ハンガリーオープン、カタールオープン、中国オープンの3大会
    2. 第2回:ハンガリーオープンからオーストラリアオープンまでの7大会
    3. 第3回:ハンガリーオープンからドイツオープンまでの11大会
T2ダイヤモンド大会とワールドツアー/ワールドツアープラチナ
つまり、7月のT2ダイヤモンド大会のワールドツアーポイントの対象になるのは3大会のみですが、1月のハンガリーオープンが全日本選手権と日程が近かったので日本選手は出場していません。このため、実質カタールオープンと中国オープンの2大会の成績で他の国の3大会に出場した選手と競わなければならないので厳しいわけです。

実際、ハンガリーオープンとカタールオープンの結果でのワールドツアーポイントの順位では15位以内に入っていたのは女子では伊藤美誠と平野美宇、男子では張本智和、水谷隼、丹羽孝希の5人だけで、それも平野美宇と丹羽孝希は15位とギリギリでした(順位表はこちら)。

平野美宇は、今回の中国オープンで準々決勝まで行けばほぼ間違いなく15位以内に入ると思われましたが2回戦敗退のためカタールオープンの2回戦敗退と合わせて100ポイントと微妙なポイントになり心配していたわけです。

そこで、現時点で中国オープン終了後のワールドツアーポイントの順位をシミュレーションしてみました。

結果は次のようになりました。7月の大会はマレーシアでの開催でマレーシアの選手は上位にいませんが、地元選手は世界ランキング50位以内の選手という条件がありマレーシアにこの条件に該当する選手はいないため、ワールドツアーポイントのランキングで16位以内が出場できます。
[2019/06/09追記]地元選手に世界ランキング50位以内という制限があることが分かったため修正しました。

まだ結果の出ていない準々決勝の8選手は中国オープンのポイントを暫定的に準々決勝敗退の100ポイントとしましたので、これより増える可能性があり上位の順位が入れ替わる可能性はありますが、全員16位以上にいるため16位までの選手が変わることはありません。

このため、平野美宇は13位で無事に7月のT2ダイヤモンド大会に出場できそうです。

Total ハンガリーOP カタールOP 中国OP
1 王曼昱 663 SF 63 優勝 500 100
2 劉詩雯 463 SF 63 準優勝 300 100
3 陳夢 350 優勝 250 100
4 丁寧 300 SF 200 100
5 孫穎莎 256 QF 31 SF 200 R32 25
6 朱雨玲 225 準優勝 125 100
7 伊藤美誠 200 QF 100 100
8 陳幸同 181 QF 31 R16 50 100
9 馮天薇 158 R32 8 QF 100 R16 50
10 王芸迪 133 R32 8 QF 100 R32 25
11 鄭怡静 125 R32 25 100
12 何卓佳 108 R32 8 QF 100
13 平野美宇 100 R16 50 R16 50
14 陳羽思 91 R16 16 R32 25 R16 50
15 杜凱栞 83 R32 8 R16 50 R32 25
16 ポルカノバ 83 R32 8 R32 25 R16 50
17 スッチ 81 QF 31 予選 R16 50
18 顧玉婷 75 予選 R16 50 R32 25
19 ハン・イン 75 R16 50 R32 25
20 石川佳純 75 R32 25 R16 50
21 加藤美優 75 R16 50 R32 25
(メモ)「予選」は予選敗退のことで、この場合ポイント付きません。

石川佳純はもう1回勝って準々決勝まで進めば出場できるところでした。残念です。
準々決勝敗退が100ポイントなので他の日本選手も準々決勝まで進めばチャンスがありました。

[2019/6/4追記]
中国オープンが終了して正確な順位が出たので掲載します。
ポイントが同じ場合は、出場大会数(予選敗退の場合も含む)の多い順、それも同じ場合は世界ランキング順になるようです。
Total ハンガリーOP カタールOP 中国OP
1 王曼昱 863 SF 63 優勝 500 準優勝 300
2 陳夢 750 優勝 250 優勝 500
3 劉詩雯 463 SF 63 準優勝 300 QF 100
4 朱雨玲 325 準優勝 125 SF 200
5 丁寧 300 SF 200 QF 100
5 伊藤美誠 300 QF 100 SF 200
7 孫穎莎 256 QF 31 SF 200 R32 25
8 陳幸同 181 QF 31 R16 50 QF 100
9 馮天薇 158 R32 8 QF 100 R16 50
10 王芸迪 133 R32 8 QF 100 R32 25
11 鄭怡静 125 R32 25 QF 100
12 何卓佳 108 R32 8 QF 100 予選
13 平野美宇 100 R16 50 R16 50
14 陳羽思 91 R16 16 R32 25 R16 50
15 杜凱栞 83 R32 8 R16 50 R32 25
15 ポルカノバ 83 R32 8 R32 25 R16 50
17 スッチ 81 QF 31 予選 R16 50
18 顧玉婷 75 予選 R16 50 R32 25
18 ハン・イン 75 R16 50 R32 25
18 石川佳純 75 R32 25 R16 50
18 加藤美優 75 R16 50 R32 25

[2019/7/15追記]ボルが故障のためキャンセルしフランスのゴジが繰り上がりで出場できることになりました。

2019年5月26日日曜日

【卓球】中国オープンを皮切りにワールドツアー5大会+T2ダイヤモンドの6連戦が始まる(5/30~7/21)

 今週の木曜日(予選は5/28(火曜))からワールドツアープラチナの中国オープンが始まります。
約2か月ぶりのワールドツアーですが、この中国オープンから約2か月の間にワールドツアー2大会とワールドツアープラチナ3大会がありその締めくくりにT2ダイヤモンド大会が行われます。

5/28-6/2: 中国オープン(ワールドツアープラチナ)
6/4-9: 香港オープン(ワールドツアー)
6/12-16: ジャパンオープン(ワールドツアープラチナ)
7/2-7: 韓国オープン(ワールドツアー)
7/9-14: オーストラリアオープン(ワールドツアープラチナ)
7/18-21: T2ダイヤモンド大会(マレーシア)

これらの大会が終わると、ワールドツアープラチナが年間6大会中4大会、通常のワールドツアーが年間6大会中3大会と年間の半分以上のワールドツアー/プラチナが終わったことになります。そのため、東京オリンピック代表を目指す選手にとってはこの連戦が代表レース前半の山場になります。

また、年間のランキングポイントの積算(「東京オリンピック代表への道」を参照)もこの期間は大きく動いていくと思います。

中国オープンの詳細についてはこちらをご覧ください。
ワールドツアーについての解説はこちらをご覧ください。
T2ダイヤモンド大会についてはこちらをご覧ください。

2018年6月2日土曜日

2018中国オープン 芝田沙季が朱雨玲に、浜本由惟が孫穎莎を破る、日本旋風の本戦2日目

中国深圳でワールドツアープラチナの2018中国オープンが開催されています。その2日目の昨日に行われた女子シングルス2回戦で、芝田沙季がトップシードの中国の朱雨玲(ジュ・ユーリン)を破り大金星を上げました。

試合では、4ゲームまでで朱雨玲がゲームカウント3-1であと1ゲームで勝利と王手を懸けていましたが、そこから芝田選手が攻めて3ゲームを連取し大逆転しました。芝田沙季は、前日の1回戦では第10シードの韓国の徐孝元(ソ・ヒョウォン)に勝っていて、昨日の夜に行われた準々決勝では韓国の田芝田(チョン・ジヒ)にも勝って準決勝進出を決めました。準決勝は今日、中国の丁寧と対戦します。芝田選手は今回自主参加枠で予選からの出場で火曜日と水曜日の予選を勝ち抜いて昨日木曜日からの本戦に進出していました。

女子シングルス2回戦 芝田沙季 vs 朱雨玲 4-3(5-11,11-9,7-11,8-11,11-9,11-8,11-5)

また、昨日行われた女子シングルス1回戦で第13シードの中国の孫穎莎(スン・インシャ)と対戦した浜本由惟は、ゲームカウント3-0とリードされてから4ゲームを連取するというなかなか見ない大逆転を演じました。孫穎莎はみうみまと同じ2000年生まれですが昨年6月のジャパンオープンで初めてのシニアの大会出場でいきなり優勝し続く中国オープンで準優勝し世界ランキングトップ10にも一時入っていたという強者です。浜本由惟も、芝田沙季と同じく自主参加で火曜日の予選から戦い本戦に進出していました。2回戦では、石川佳純と対戦し残念ながら敗退しました。

女子シングルス1回戦 浜本由惟 vs 孫穎莎 4-3(8-11,4-11,5-11,11-6,11-6,11-8,11-5)

また、男子シングルス1回戦では張本智和が中国の張継科と対戦しました。張本智和は最新の5月の世界ランキングでは10位です。一方、張継科は今回予選から開始ですが、これはしばらく兵役に服していて大会に出場しておらず先週の香港オープンからツアーに復帰したため世界ランキングが下がっているためです。その前は、トップ10に名を連ねるバリバリの中国トップ選手でした。ただ、今回はまだ完全に復調していないためか、張本智和の一方的な試合になり張本智和がストレートで勝ちました。張本はその後の2回戦でも中国トップ選手の世界ランキング5位の林高遠と対戦しこちらは負けてしまいました。

男子シングルス1回戦 張本智和 vs 張継科 4-0 (11-8,11-3,11-8,11-6)
男子シングルス2回戦 張本智和 vs 林高遠 1-4 (2-11,8-11,10-12,11-7,4-11)

その他にも佐藤瞳が世界ランキング9位のシンガポールの馮天薇に4-1で勝ち(準々決勝で丁寧に敗退)、伊藤美誠が中国の武楊を4-0で破っています。

中国オープンの詳細はこちらのページをご覧ください。

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