2019年9月8日日曜日

卓球の東京オリンピック代表レースを今後の大会からシミュレーション(男子偏)

卓球の東京オリンピックのシングルス代表は男女それぞれ2名で、来年2020年1月の世界ランキングでの日本選手上位2名が選出されることになっている。

この来年1月の世界ランキングは今年1年間に出場した国際大会と昨年の世界選手権の獲得ポイントで決まる。このため、来年1月の世界ランキングの対象になる大会での獲得ポイントをランキングポイントの方法に従って計算したのが「東京オリンピック代表への道」に載せている積算ポイントで、現在は張本智和がダントツのトップでそれを水谷隼と丹羽孝希が追う形になっている。水谷隼と丹羽孝希の差は少ないが、4位以下は大きく離れているため実質水谷隼と丹羽孝希の2位争いという構図だ。

この3選手の9月7日現在の積算ポイントは以下のようになっている。

1月のポイント 張本智和 水谷隼 丹羽孝希
① 1800 ブルガリアOP 1500 2018WTTC 1500 2019WTTC
② 1465 中国OP 1125 カタールOP 1170 アジアカップ
③ 1440 香港OP 900 ジャパンOP 900 中国OP
④ 1250 2018WTTC 900 香港OP 900 カタールOP
⑤ 1200 2019WTTC 900 中国OP 750 2018WTTC
⑥ 1125 カタールOP 900 2019WTTC 720 香港OP
⑦ 1080 アジアカップ 900 ブルガリアOP 675 豪州OP
⑧ 900 韓国OP 720 チェコOP 675 ジャパンOP
T2マレーシア 400 400 400
T2シンガポール
10660 8245 7690
(メモ)WTTC=世界選手権、OP=オープン、T2=T2ダイヤモンド大会

また、今年年内に行われるワールドツアー以上の主要大会で残っているのは以下の8大会で、3選手の各大会へのエントリー状況、および獲得できるポイントは以下のようになっている。

大会 開始日 張本 水谷 丹羽 ベスト8 ベスト4 準優勝 優勝
アジア選手権 9月15日 〇 × × 900 1170 1350 1800
スウェーデンOP 10月1日 〇 〇 〇 900 1170 1440 1800
ドイツOP 10月8日 〇 〇 〇 1125 1465 1800 2250
チームワールドカップ 11月6日 〇 〇 〇



オーストリアOP 11月12日 〇 〇 〇 1275 1465 1440 2250
T2マレーシア 11月21日 〇 〇 〇 500 600/700 800 1000
男子ワールドカップ 11月29日 〇 × 〇 1275 1530/1660 800 1000
グランドファイナル 12月12日 〇 〇 〇 1275 1660 2040 2550
(メモ)ベスト4の1530/1660は3位決定戦があり4位が1530、3位が1660

ここで水谷隼が男子ワールドカップにはエントリーしていないことがわかる。これは、男子ワールドカップに出場できるのは各国2名でかつ予選を兼ねている各大陸のカップ戦(アジアはアジアカップ)に出場していることが出場条件のためだ。また、アジア選手権には、水谷隼と丹羽孝希がエントリーされていない。丹羽孝希は会期が重なっているパラグアイオープンにエントリーしているためと思われるが水谷隼については不明だ。

丹羽孝希がエントリーしているパラグアイオープンはチャレンジプラスシリーズの大会で優勝ポイントが1100ポイントあるが、南米のためか男子シングルスのエントリーが50名ほどで丹羽以外で最高世界ランキングは32位の選手なので、丹羽は出場すれば優勝の可能性が大きい。現状1000ポイント以上が2個しか取れていない丹羽にとってはこの優勝ポイントは価値がある。また、丹羽は4月のアジアカップで3位で1170ポイントを獲得している。ランキングポイントに算入する8大会には各大陸のカップ戦と各大陸の選手権(アジアの場合はアジア選手権)のポイントはどちらか一方しか算入できないので、丹羽がアジア選手権での獲得ポイントを算入するには1170を超えるポイントが必要でこれは決勝に進出しなければならないことを意味する。つまり、丹羽孝希はアジア選手権で決勝に進出するよりもパラグアイオープンで優勝する方が確率が高いとしてパラグアイオープンにエントリーしたと考えられる。ただし、準優勝だと880ポイントなので意味がなくなる(ランキングポイントの計算方法については2019年の世界ランキングシステムの説明を参照)。

また水谷隼の出場しない男子ワールドカップでのポイントも気になる。昨年も張本智和と丹羽孝希が出場しベスト16が出場できるステージ2には問題なく進んだが二人とも準々決勝で敗退している。そこで、このシミュレーションでは二人の結果を昨年同様に準々決勝敗退とし1275ポイントと仮定する。

残りの大会は3選手ともすべてベスト8と仮定したいと思う。。

このような仮定で最初の表を計算しなおすと以下のようになる。

張本 水谷 丹羽
① 1800 ブルガリアOP 1500 2018WTTC 1500 2019WTTC
② 1465 中国OP 1125 カタールOP 1170 アジアカップ
③ 1440 香港OP 900 2019WTTC 900 中国OP
④ 1250 2018WTTC 900 中国OP 1000 パラグアイOP
⑤1200 2019WTTC 900 ブルガリアOP 1125 ドイツOP
⑥ 1125 カタールOP 1125 ドイツOP 1275 男子WC
⑦ 1275 男子WC 1125 オーストリアOP 1125 オーストリアOP
⑧グランドファイナル 1275 1275 1275
T2Dマレーシア 400 400 400
T2Dシンガポール 500 500 500
1月のポイント 11730 9750 10370
(メモ)WC=ワールドカップ

上の表で赤字の数字が今後開催される試合の仮想ポイントになる。丹羽孝希に不確定なポイントが多いものの、丹羽は水谷隼を上回るために戦略的に出場大会を選んでいることがわかるだろう。丹羽はパラグアイオープンで優勝し、ワールドカップで昨年以上の結果を残し、ワールドツアー/プラチナとグランドファイナルで水谷と大差がつかなければ東京オリンピックのシングルス代表が見えてくる。

一方、水谷隼はワールドツアー/プラチナとグランドファイナルと丹羽に差を付けなければ東京オリンピックのシングルス代表の座は見えてこない。

水谷と丹羽には不確定なポイントが多いので各大会の実際の結果でこのシミュレーションも微妙に変わってくるだろうが、男子ワールドカップは1つのチェックポイントになるだろう。

なお、シミュレーションではチームワールドカップを外している。チームワールドカップは団体戦で戦われるが団体戦の中でのシングルスの1勝は250ポイントに数えられる。つまり、大会中に5勝すればチームワールドカップのポイントは1250ポイントになるので無視できるポイントではない。また、1人の選手に2点起用が集中すると1人だけポイントが多くなることもある。今年は各大会の獲得ポイントが東京オリンピック代表の選考に関わってくるので、もちろん倉嶋監督は優勝を狙うための最善の起用を考えるだろうが、そのために2点起用が1人の選手に集中して代表選考に影響を与えないように望みたい。

同様のシミュレーションについては、こちらの9月の世界ランキングのトピック(こちらを参照)でも説明している。

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