2018年1月22日月曜日

全日本卓球選手権 平野美宇は準優勝

平成29年度全日本卓球選手権が昨日終了しました。

平野美宇は4、5回戦こそ4-1、4-0で勝ったが6回戦から準決勝までの3試合はすべてゲームオール、うち2試合は最終ゲームもデュースまでもつれ込む展開でした。
相手が対策をしてきているのはもちろんですが思うような卓球が出来ていないようで首をかしげるシーンが何度もありました。対策をされているとは言え、昨年のアジア選手権で中国トップを破った卓球をすればもっと簡単に勝てるのではないかと考えるのは素人考えなのでしょうね。

それでもなんとか決勝まで勝ち上がったのはさすがです。3年連続です。
決勝の対戦相手は伊藤美誠。全日本決勝での「みうみま」対決の実現です。

伊藤美誠は今大会、混合ダブルスで優勝、女子ダブルスで優勝と波に乗っていて、
シングルスでも好調で準決勝ではけして今大会の調子は悪くない石川佳純に4-1で勝っています。今大会は集中力も高く安定していて貫録すら感じます。

決勝は、最初出足は平野が今大会での不安定さがなくなっていつもの感じのプレーで第1ゲームを7-5と先行していましたがそこから伊藤が6ポイント先取し11-5と逆転で1ゲームを取りました。伊藤は第1ゲームの勢いそのままに第2ゲームも4ポイント連取しましたが平野も4ポイント連取し4-4。そこから伊藤が先行する形で進み8-10で伊藤のゲームポイント。平野が1回セーブするも9-11で伊藤が取りました。第3ゲームは平野の戦術が定まらないうちに伊藤が一気に10ポイント連取して0-10。お決まりのサーブミス後に平野が1点加えましたが2-11で伊藤が優勝に王手を掛けました。次のゲームは、伊藤のフォア前を攻める戦略で伊藤のミスを誘い11-5で1ゲームを取り返しますが、伊藤はすぐ建て直し6ゲーム目も平野を圧倒し6-11で優勝を決めました。

全体として、今大会の印象そのままに平野は迷いながらの卓球、伊藤は迷いのない自信にあふれた卓球になったのが平野の敗因、伊藤の勝因でしょう。

テレビの報道などによると、伊藤は昨年前半勝てなくて、省エネ卓球を抜け出すべく下半身の強化や、初心に戻る多球練習、さらに中国下部リーグへの参加で自分の卓球を見直したららしいです。伊藤の場合は、平野のような大幅なスタイルの変更ではなかったので、下半身が強化され守備範囲が広がり美誠パンチの威力が増し短期間で結果が出せたのでしょう。

今回は解説でも伊藤美誠自身も言ってましたが、ゾーンに入っていたらしいです。昨年の決勝後に石川佳純が平野美宇を「なんでも入るんだなと思った」って言ってたので、たぶんそのときややアジア選手権での平野美宇も同じだったのでしょう。アジア選手権のときは特に優勝など考えず目の前のゲームを取ることに集中していたということを平野美宇自身も言っていました。今回はどうしても「優勝しなければ」という意識が抜けなかったのかもしれません。雑念は、集中力をそぎ筋肉の反応も遅くします。平野美宇が小さいときに試合に出てコーチのお母さんに「負けちゃう」って泣きついて「まだ負けてないでしょ」って言われてたのを思い出します。まだ起こってないことを気にしてもしかたがない、目の前のことに集中する、と言うのは卓球だけでなく万事に通じる真理です。「人事を尽くして天命を待つ」です。
平野美宇自身も「どうしても勝たなければ」と思ってしまってと「自分が格上」を意識する自分がいることは認めているようですので、試合中にその意識を消す方法が見つかっていないのでしょう。

今後は、平野美宇と伊藤美誠が中国の丁寧と劉詩ウェンのようにお互いを刺激し切磋琢磨しながら日本の女子卓球界を牽引する存在になってくれればと思います。

また、早田ひなも伊藤美誠の優勝を見て来年は自分もと思っているでしょうし、石川佳純もまだ黄金世代には負けないと思っているでしょう。みんなで高めあって頑張ってほしいです。

平野美宇の平成29年度全日本卓球選手権大会の成績
1.女子シングルス
4回戦 対 木村香織 4-1(11-8,11-4,6-11,11-6,12-10)
5回戦 対 馬場麻裕 4-0(12-10,11-5,11-8,11-2)
6回戦 対 芝田沙季 4-3(13-11,9-11,11-9,8-11,11-5,6-11,12-10)
準々決勝 対 松澤茉里奈 4-3(11-13,11-9,3-11,12-10,4-11,11-9,11-8)
準決勝 対 永尾尭子 4-3(9-11,11-5,11-2,9-11,11-13,11-5,12-10)
決勝 対 伊藤美誠 1-4(7-11,9-11,2-11,11-5,6-11)
2.混合ダブルス(平野美宇/張本智和)
2回戦 対 二木啓太/後藤紗葵 3-0(11-9,11-8,11-3)
3回戦 対 柴田直人/鳥居夕華 3-1(10-12,11-4,11-7,11-6)
4回戦 対 張一博/森薗美咲 2-3(9-11,114-,11-9,4-11,7-11)

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