2019年を迎えると東京オリンピックのある2020年を「来年」と呼ぶところまで近づき、徐々に各競技でオリンピック代表が決まってゆくと思います。
卓球は、東京オリンピックでは種目としては男子と女子のシングルス、男子と女子の団体戦、混合ダブルスが行われますが、代表として選ばれるのは男女それぞれ3名のみです。
選考基準としては、まずシングルスに出場する男女それぞれ2名を決めます。そして、この2名は「2020年1月の世界ランキングで日本人上位2名」が選ばれJOC(日本オリンピック委員会)に推薦されることになっています。残りの1名は団体戦にのみ出場する選手で、シングルスに選考された2名のどちらかと組んで団体戦でダブルスとシングルスを戦うことが想定されるため、シングルスに選ばれた選手とのダブルスの相性を考慮して日本卓球協会で決定しJOCに推薦することになっています。
この「世界ランキング」は正式にはITTF(国際卓球連盟)の世界ランキングです。この世界ランキングはITTFで承認された大会に出場し、その結果に基づいて獲得できるポイントの合計(過去1年間の最大8大会)の多い順で順位が付け付けられます。
問題は、この各大会で獲得出来るポイントを決めるシステム(ランキングシステム)が毎年変更されることです。
たとえば、2018年と2019年では大会での最終結果で得られるポイントの優勝ポイントに対する割合が、次のように大きく変更されました。
大会の最終結果 |
2018年 |
2018ワールドツアー |
2019年 |
2019ワールドツアー |
優勝 |
100% |
1800 |
100% |
1800 |
準優勝 |
90% |
1620 |
80% |
1440 |
準決勝敗退(ベスト4) |
80% |
1440 |
65% |
1170 |
準々決勝敗退(ベスト8) |
70% |
1260 |
50% |
900 |
2回戦敗退(ベスト16) |
60% |
1080 |
40% |
720 |
1回戦敗退(ベスト32) |
50% |
900 |
30% |
540 |
つまり、大会での結果が上位で終えた場合のポイントにより比重を置く形になりました。
たとえば、4大会での結果が次のような2選手がいた場合、
- 選手A:準々決勝敗退が4回
- 選手B:準優勝が1回、準決勝敗退が1回、2回戦敗退が1回、1回戦敗退が1回
2018年だと選手A、選手Bとも5040ポイントとなりますが、2019年だと選手Aは3600ポイント、選手Bは3870ポイントとなり270ポイントの差が付きます。
このようなランキングシステムの変更が毎年1月の世界ランキングからあるので、今年の12月末時点で日本人1位または2位でも、来年1月の世界ランキングで日本人1位または2位であるかどうかはわかりません。
とはいえ、来年1月のランキングシステムがどうなるかはわからないので選手としては、とにかくいい成績を上げてランキングシステムが変わっても揺るがない成績を残したいところでしょう。
ところで、今年のシニアの最初の国際試合はいつあるのかということですが、実は最初の国際大会のハンガリーオープン(ワールドツアー)は全日本選手権と日程が重なるため日本から参加する選手はいません。日本のトップ選手が出場しそうな次の大会は3月26日からのカタールオープン(ワールドツアープラチナ)です(調整のためにチャレンジシリーズに出場する選手もいるかもしれませんが)。
つまり、東京オリンピック代表権争いは実質このカタールオープンから12月中旬のグランドファイナルまでの9か月間に行われることになります。代表権を争う選手は、この期間体調を万全にし、故障なく大会で全力を出して戦ってほしいです。
[追記]1月2日に1月の世界ランキングが発表されました。ポイント内訳を調べると2017年および2018年に獲得したポイントは2019年のランキングシステムが適用されていません。世界ランキングの2018年以前のポイントが新ランキングシステムの影響を受けないなら、来年1月の世界ランキングも2020年の新ランキングシステムの影響を受けないと想定されるのでオリンピック代表を争う選手にとっては今年12月末のデータで考えればいいことになるので朗報ですね。
2019年世界ランキングシステムの詳細についてはこちらをご覧ください。